9月に入り、朝晩が過ごしやすくなってきました。
さて、今日はここ数回中断していた「金アレ?」の続きで、どのような金属が影響するかをお話ししましょう。
「ニッケル」
日常最も身近な金属で、そのため最も原因になり易い金属です。
EU圏では使用に制限がかけられているそうです。幼年期から接すれば接するほど、後に金属アレルギーを引き起こさせることが判っています。
身の回りでは50円や100円硬貨をはじめ、食器や調理器具、携帯電話、化粧品、装飾品、染料、そしてチョコレートその他多くの食材に含まれます。
また、触れる機会の多い職業では、美容師、理容師、メッキ工などの電気工業、食器や食材を扱う調理師、陶磁器などを扱う仕事の他にも、医師、歯科医師や看護師、歯科衛生士などのゴム手袋を使う仕事があげられます。
歯科では、義歯のクラスプ(固定するためのバネ)、義歯本体、冠、ブリッジ、矯正のワイヤー等がニッケルです。
そしてニッケルは、クロムと交差反応をすることが知られています。
(交差反応…性質が似ているためニッケルアレルギーの多くの方がクロムにもアレルギーを持ってしまうこと)
とにかくニッケルとは厄介な金属です。
体内に取り込まれた大部分は便で排泄されますが、10%程は汗に排泄されるために、汗腺の多い指、手のひらに小水疱を作ります。
しかし、これの不足は成長障害、造血障害、血糖低下、血中のカルシウム、鉄、亜鉛の減少を引き起こさせますから、バランスをとることが難しい物質とも言えるでしょう。
「クロム」
ドアノブのメッキ、塗装などの染料、なめし皮、セメント、レンガ、タイルなど、こちらも非常に多くの物質に使われています。
そしてこれらを扱う、左官や大工、精錬メッキ工、印刷業、革製品の加工職人、塗装職人、溶接工などさまざまな業種にも関係しています。
クロムによるアレルギー症状はニッケルと類似しています。手足の難治性の湿疹のほか、湿疹やかゆみを体のあらゆるところに発症させます。
また、腹痛、下痢、尿細管障害の原因にもなりますが、インスリンの働きを助けるものでもあるので、逆にこれが不足すると糖・脂質の代謝に障害を与えるのです。
以上のことから、やはりクロムもバランスをとるのが難しい物質と言えるでしょう。