台風や太平洋高気圧のおかげで不安定な天候が続いていますが、皆さん冷たいものを飲み過ぎていませんか?
さて今日は、以前チラッとお話ししたかと思いますが、スタッフの検査結果が届いたので、遅延型食物アレルギー検査についてお話ししましょう。
この検査をお願いするのは「アンブロシア株式会社」さんで、分析はアメリカのUSバイオテック研究所が行います。
食物アレルギーについて、前回はアレルギーが起こるまでの段階についてお話ししましたが、食物アレルギーには2タイプあり、1つは即時型、もう1つは遅延型です。 前にブログへ書いたものは遅延型についてでした。
検査対象はIgGとIgAという免疫グロブリンの型なのですが、まずはこれから説明しましょう。
・IgG
血漿蛋白のグロブリンの1つであるγ-グロブリンは、免疫に関与していることから免疫グロブリン(Ig)と呼ばれ、IgG, IgA, IgM, IgD, IgEの5つの分子型がある。
IgGは細菌、ウイルス、薬物、組織抗原などの刺激に対する生体反応を示すので、血中のIgGを測定することにより、抗原刺激に対する生体反応の亢進、IgG産生部位の異常などを知ることができる。
また、母子免疫としても知られ、胎盤から移行する。
IgG高値を示す病態・疾患としては多クローン性高γ-グロブリン血症、膠原病、無症候性M蛋白血症、慢性感染症、骨髄腫、IgG型多発性骨髄腫などが知られている。
逆にIgG低値を示す病態・疾患としては無・低γ-グロブリン血症、重症免疫不全症、ネフロー ゼ症候群などが知られている。
・IgA
体内の気道や腸管などは異物が入らないよう粘膜のバリアーで守られている。IgA抗体は粘液の中へ分泌され、バリアーとして重要な役割を果たしている。
例えば花粉が鼻の中に入ると、まず粘液で捕まえられる。IgA抗体は、それが逃げないようにしっかりと包み込み、鼻の中にある繊毛で、症状を起こすことなく体外へ運び出す。したがって、IgA抗体はたくさんあったほうが良いということになる。
特に子供を育てる際には注意が必要で、母乳、特に初乳にはIgA抗体が多く含まれ、新生児はIgA抗体をほとんど持っていないことから、体を守る上でも母乳で育てる必要がある。
生後7〜8ヶ月頃から盛んに分泌されるようになり、 3〜4才くらいまでは増加し続ける。それらを考慮すると、離乳食は生後7〜8ヶ月頃から与えたほうが良い。
また、IgA抗体があまり分泌されていない時期に、卵、牛乳、大豆などのアレルゲンになりやすいものを与えると、アレルギーを発症させる危険性がある。
……というわけで、だいたいIgGやIgAがどういうものかが判っていただけかと思います。
これらを調べることで、自分の体がどういったことに弱いのか、不調の原因としての関係性の有無を見ることが出来るのです。
長くなるので今回はここまでとし、次回はIgGやIgAなどの血中の割合や、検査結果のデータなどについて、お話ししましょう。
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