HPの改変などで色々とやっているウチに季節は移り変わり、すっかり暑くなってきましたが皆さんお元気でしょうか。
さて、つい先日患者さんから「先生、ジョコビッチって、牛乳と小麦やめたんですってね!」と言われ、えっ!とびっくり。
「ちょっと待て、ジョコビッチの話は知らないぞ」
ということで早速日曜日、本屋さんに行きました。
「あったあった『ジョコビッチの生まれ変わる食事(三五館)』これだな」
本を買ったその足で近くのカフェに行き、早速読み始めました。
ここでは内容を細かくは書きませんが、見事なまでの食と生活の改革、そして彼の今まで歩んできた人生が書いてありました。僕も錦織選手の影響で、最近は少しテニスも見ていますが、ジョコビッチ選手についてはせいぜい「強い選手でランキングは現在1位」という程度の知識しかありませんでした。試合のラジオ放送も錦織選手のものは良く聞いていて、相手がそのジョコビッチ選手であっても勝機はある!なんて言っているのばかり聞いていましたから、僕もそうなんだ、と真に受けていたのです。
ところがこの本を読み始めたら、自分の認識が早くも間違いであることに気がつきました。ジョコビッチ選手と錦織選手の実力差はとても大きいのではないかと思ったし、また、生きてきた背景も全く違っていて、彼の体験した戦時下でのテニスについては読んでいて涙が出そうになりました。
彼は全豪オープンテニスの試合中に何回か倒れたことがありますが、それをセルビアの栄養学者のイゴール・セトジェヴィッチ博士がみていました。そして彼は遠く離れたキプロスからジョコビッチ選手に指摘しました…特に小麦に含まれる、グルテンというタンパク質の一種が悪さをしていることを。その半年後、彼は博士と、そしてジョコビッチ選手のお父さんの共通の友人により対面することになったのです。この出会いが今の彼を築くことに繋がったことは言うまでもありません。
信じられないかも知れませんが、人間の食性に「小麦」は合っていないのです。我々日本人も、戦前まではお米中心の生活でしたが戦後になって、パンを中心とする小麦食に大きく変えさせられてきています。巷には、パン、パスタ、うどん、安物のそば、お菓子など数限りなく、なぜそこまで使うかと思うほど、食性に合わない小麦が使われています。
本の中で博士は僕も治療に使っている、腱反射を使った反応で小麦の有害性を彼に体験させていました。人間や動物は、自分に合わないものはちゃんと受け付けないようになっており、それを探り出すのに使うのが、この腱反射を利用した検査なのです。
博士はこの方法でジョコビッチ選手に、パンを持った時と持たない時でどれだけ体の力の入り方が違うのかを体験させました。検査方法は実に簡単ですから、ジョコビッチ選手は非常に驚いたそうです。さらにELISAテストを行い、小麦に対する反応が出たその結果にも驚きました。(ELISAテスト…遅延型の食物アレルギー検査のことで以前、当ブログでも扱っています)
ELISAテストに関しては、先月日刊スポーツで取り上げられた女子プロゴルファーの岡村咲プロについての記事があります。彼女が試合中もずっとマスクを着用しており、シーズンオフにこの検査を受け、何かしらの反応が出たことについて触れていました。この検査、少しずつ認されるようになってきましたが、まだまだですね。
ジョコビッチ選手は以後、このグルテンを排除し(グルテンフリーといいます)食事を切り替えた結果、今の彼の強さに繋がりました。
僕も、昨年から歯磨剤のフッ素使用を止めました。国内でフッ素無しの歯磨剤は入手困難なため、現在は海外から輸入しているのですが、最初に届いたその箱になんと「グルテン・フリー」と書いてあって、ものすごく驚きました。それに引き替え我が国は…(汗
簡単に説明するはずが長くなっただけでなく、説明しきれていない部分もあるのですがとにかく、僕にとってこの本が栄養指導のバイブルとなる1冊なだけでなく、改めて僕の診療方針や、行っている食事指導方法に間違いがないことを確信できました。
皆さんも是非、読んでみて下さい。
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