ちょっと間が開いてしまいましたが、皆さんお元気でしょうか?
季節もだいぶ良くなってきて、秋晴れの気持ちいい日もありましたね。
でも、気を抜くと、こういう時に風邪を引きやすいのでご注意下さいね。
さて、前々回、前回と共通しているのが腸の健康でした。腸の健康と言えば、ジョコビッチ選手の本は相当売れているようで、今は書店の入り口の目立つ場所に平積みにしている店が増加中です。
そして本の影響でしょうか、アメリカでは小麦排斥の気運が高まっています。
「小麦はタバコと同じ嗜好品で、毎日食べる物ではない!」
本を読めば、どれだけ害があるものなのかが判るのですが、一口で言えば、小麦は胃腸だけでなく、脳までも壊してしまう恐ろしいものです。そんな恐ろしいものを食べるはずがない??
いやいやそれが案外、そうでもないんですよ。
小麦に含まれるタンパク質のグルテン、実はこれが多くの害を与えています。
小麦の原種はヒトツブ小麦から始まり、途中、野生交配でフタツブ小麦が出来、その2種類が数千年にわたって食されてきました。途中で、またも野生交配で、ほぼ現在の原型となるパン小麦に変化して行きます。
それぞれ、染色体は14本から28本、そして42本へと変化して行き、人間が手を加え易くなって行ったのです。
1960年台に大生産地域である、カナダ、アメリカで「化学的突然変異」「放射線学的突然変異」といった手法で「現代小麦(モダンウィート)」が作られました。その結果、1970年台に入り、世界中で小麦の急性アレルギー、そして遅延型のアレルギーとしてのグルテン不対症の患者数が増え始め、そのまま現代まで減少傾向が見られません。
ちなみに、セリアック病とは腸が炎症を繰り返し、繊毛を破壊してしまう不治の病で、以前は乳幼児だけの病気とされていましたが、成人健常者も例外ではありません。
こうして小麦の日常摂取で様々な病気が発症してきているのです。遅延型食物アレルギー検査を行うアンブロシアさんの検査項目も今回、数種類が入れ替わり、小麦関係も種類が増えて充実してきています。
項目の詳細については今は細かくは書きませんが、先日クリニックで検査を受けた小学生の女の子は、グルテンを形成するタンパク質のグリアジン、グルテニン、スペルト小麦(スペルト小麦は、現在広く利用されているパン小麦(普通小麦)の原種にあたる古代穀物です)、全粒小麦(全粒粉)に反応が出ていました。
スペルト小麦も全粒小麦も、食の世界ではヘルシーとうたわれていますが、現実にはこのような結果になってしまっています。しかし、アンブロシアさんがこれらを検査項目に入れるということは、海外での反応が無視出来ない所まで来ているということからなのでしょう。実際どうなのか、その辺りのことを担当の方に確かめておきたいと思います。
長年のアレルギーや不調などが、日常の食材にその原因があることが少なくない昨今、それにも関わらず未だ遅延型食物アレルギー検査も認知度が低いままです。
しかし、ジョコビッチ選手始め、日本のトップアスリート達も少しずつは取り入れています。そういった方々は必須の検査だと思いますが、日頃からなにがしか不調を抱えている方も是非受けてみて下さい。意外なものがその原因になっているかも知れません。いつでもお気軽にご相談下さい。
さて、今回はここまで。次回は小麦を使った食材の代表格であるパンやパスタなど、それらの摂取が原因と考えられる病気がどんなものかお話ししましょう。
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