最近、ファスティング(断食)のご相談を受けることが多いのですが、ファスティングを行う前に、当クリニックでは出来るだけ毛髪検査を受けてもらうよう、お話ししています。
というのも、まず自分の体にどんなものが溜まっているのかを把握して頂き、どう解毒し、今後はどう溜まらないようにしていくのか、食事などについて考えて頂くためでもあります。
今までずいぶん多くの患者さんが毛髪検査を受けましたが、その結果について、ある傾向が見受けられるので今回はそれについてお話したいと思います。
まず目につくのが有害金属の蓄積です。特に多いのはHg(水銀)で、次にヒ素。
Hgは、大型魚や深海魚に含まれるもの、その他歯科治療に使われる金属のアマルガム、予防接種のワクチン等などが主な蓄積源です。
主に腎臓、肝臓、骨に蓄積し、腎臓障害、肝臓障害、感覚障害などが起こります。
また脳や中枢神経にたまりやすいことから神経障害を起こしやすくなり、重度の障害があの水俣病です。
もちろん皮膚障害も起きますから、口の中のアマルガムを除去した途端に症状が軽減する場合も多々あります。
皮膚疾患があるけれども原因がわからない場合などは、皮膚科と共に歯科の受診もお勧めします。意外に思われるかもしれませんが、口の中の金属を外したら快癒したということも意外に多いのです。
次にヒ素。
ヒ素は残留農薬、水、魚介類などが主な原因です。
基準値より残留ヒ素が多いお米は事故米として出荷停止になるのは有名ですね。また、ヒ素は皮膚障害、全身疲労の原因にもなります。
それから魚介類。
魚介にヒ素が多いというのはちょっと想像がつかないかもしれませんが、海底火山の爆発により、海中に放出される物質の影響を受けた魚を人間が食べて蓄積するというもので、最近よく言われる食物連鎖の一つです。
そうそう、ちょっと(だいぶ?)前になりますが、和歌山のカレー事件でもヒ素は有名になりました。このとき、何の毒物が使われたかすぐ特定できなかったため、毛髪検査を行うことで原因が判明したそうです。
そしてこれらを追い出すのがデトックス(解毒)であり、代表格がファスティングです。
しかし本来人間には解毒作用が備わっていて、便(うんち)尿、汗、髪、爪などからだいたい95%は排斥されますが、毒の量が多かったり解毒能力が低下すると体内に溜まってしまい、その後有害金属が体内の酵素活動をブロックし、代謝が悪くなってさらに悪循環に陥ってしまうのです。
そうなるとなかなか自力での回復が難しくなりますから、そこでファスティングすることにより内臓を休ませ、日頃消化で使われている酵素を細胞の再生へ回して体を再生させ、回復させていくことが必要になる。
さらに、定期的に行うことで体内に毒や重金属をためず、細胞を活性させていくようにすれば、それがすなわち「アンチエイジング」ということになるのです。
……というわけで、今回は特に目立つ2つの重金属についてお話しました。
この続きはまだまだいろいろあるので、また改めて書きたいと思いますが、大森隆史先生の「毛髪ミネラル検査のすすめ―見てわかる図解版 デトックス健康法の決め手」という本にも詳しく載っているのでおすすめです。
「毛髪ミネラル検査のすすめ―見てわかる図解版 デトックス健康法の決め手」
大森隆史著