道端には未だに先月降った大雪の名残が残るものの、やっと日差しが暖かく感じられる陽気になった連休ですが皆さん如何お過ごしですか?
それにしても年が明けたと思ったらもう2月であることに軽いショックを覚えます。さらにもうじきバレンタインですから、チョコについてももう一度、おさらいする必要があるかもしれませんね。
え?チョコ貰ったら先生は食べないのかって??
……そんなわけないじゃないですか、おいしくありがたく頂きますよd(^-^)!!
さて、表題にもあるとおり今日のお題は「ひじき」です。
僕自身はあまり好きではない食材なのですが、日本では昔から栄養価が高いとして伝統的な食材の1つです。
日本食品成分表はこれまで大きな改訂が何度か行われてきましたが、その最新版である2015年版が公表されました。収載食品が増えたこと、惣菜の栄養価計算の参考例、分析精度の向上などなど注目点の多い改訂となりましたが、驚いたのは、「ひじき」の栄養価でした。
というのも、「ひじき」の特徴であった、鉄分の含有量が調理方法によってあまりにも大きな誤差があったのです。
「干しひじき」は「ひじき」の原藻を煮熟(蒸し煮)後、乾燥した製品であり、煮熟用の釜は、ステンレスと鉄に分けられます。結果、ステンレス釜と鉄釜で製造した乾燥「ひじき」を比較すると、その栄養価はなんと約9倍もの開きがあることが判りました。当然、鉄釜を使用した方が多いわけで、結局鉄分が多く理想的と言われてきた「ひじき」の鉄分の由来は、使用する釜にあったのです。
また、通常「ひじき」食べるときは水でもどしてから食べることになりますが、水で戻すことで鉄釜で作ったものであっても、鉄分は20分の1程度に減っているというのです。
最初は100g中58.2mgあったものが、この時点で100g中0.3mgまで減ってしまうというのです。びっくりです;;
この食品成分表が出る前は、「ひじき」100g中5mgで計算してたわけでこの結果とは大違い、根本が崩れるのですから業界は大慌てでしょう。しかし、カルシウムはどんな調理法でも変わりはなかったとのことです。
…しかし、実はそこが問題じゃ、ないのです。
当クリニックの患者さん方には長年、この「ひじき」をあまり食べないように指導してきました。というのも、実はこの「ひじき」、「ヒ素」の含有量が非常に多いのです。この事から健康に良い!と思って食べるのは大問題の食材なのでした。
いつだったかスポーツ新聞に有名女子プロゴルファーの方が、健康に良いからと、毎朝一杯食べているとの記事を目にしました。ヒ素が多いことを考えるとこれは問題です。
このように日本では未だ健康食ですが、イギリスでは2004年7月に食用を控えるようにと、指導しています。
さらに、江東区保健所が調査した結果、「ひじき」には1kg当たり34〜117mgのヒ素が含まれていることが判りました。
その内訳として10検体のヒ素含有量(平均値)は、
・総ヒ素82.5mg/kg
・有機ヒ素19.4mg/kg
・無機ヒ素63.1mg/kg
……です。
わかめなど他の海草に含まれるヒ素量は、おおむね1kg当たり10mg以下なので、「ひじき」には実に多く含まれていることになり、産地による違いなどはありませんでした。
ヒ素が多いと判っても、やはり大好きでどうしても食べたいという方もいらっしゃると思いますので、そんな方のために次回はどうすれば食べられるほどにヒ素を減らせるかをお話ししましょう。
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