さて、今日は前回の続きで、カルシウムパラドックスと病気との関係についてです。
まず、腎臓結石。
これはカルシウムの過剰摂取が原因と思われてきましたが、実際は逆で、カルシウムが不足する事で骨からカルシウムが溶け出し、それが結石を作るという事がわかって来ました。
…ということは言うまでもなく、この溶け出したカルシウムは、腎臓結石の他にも胆嚢結石・膀胱結石・尿管結石などの原因にもなるということです。
次は血管系。
血管にカルシウムが増えると血管が硬くなって動脈硬化になります。また血液が通りにくくなるため高血圧症を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の危険性を高めます。
次に脳関係。
脳の中にカルシウムが増えると脳細胞の働きが阻害されたり、細胞自体が傷つけられたりするため、記憶障害や認知症、アルツハイマー病などを発症しやすくなります。
その他、軟骨などの骨系。
軟骨にカルシウムが入り込むと、軟骨は古いゴムのように硬くなります。固くなった軟骨は次第にすり減って行き、骨と骨が直接ぶつかって痛みの出る変形性関節症を引き起こします。
トドメは免疫系統。
免疫細胞の中にカルシウムが入りこむと、免疫のシステムがうまく働かず、がん細胞などの増殖を抑え込む事も難しくなります。
僕が山田豊文先生のセミナーに出て一番最初に教えて貰ってビックリしたのは、このカルシウムパラドックスでした。
今までの常識が覆され、これら困った症状を起こさせる一番の原因の食材が牛乳だったのです。
残念ながら、この雑誌の最後では牛乳を勧めていたので、それまでの素晴らしい記事が台無しになってしまったことが残念でしかたがありませんが、実際にはそれほど、カルシウムというのは深く人体に関わっているのです。
山田先生は今まで書いてきたような現象を避けるためには必ず、マグネシウムを摂ることを書物にも書いており、セミナーでも毎度、どれだけ大切なことかを説いています。
ただ、良質なマグネシウムを食物から摂取するのは難しいので、やはりサプリメントなどで補うのがよいでしょう。その場合、マグネシウム:カルシウムの比率を1:2、あるいは通常であっても相当マグネシウムが不足しているため1:1でも良いくらいだと指導しています。
実際、数年前は国内大手サプリメントメーカーのほとんどはカルシウム単体で販売していましたが、何時の頃からか、カルシウムとマグネシウム製剤の混合という形に変化してきました。
海外ではその当時であってもカルシウム単体のサプリを見つけるのは難しく、カルシウムと混合があたりまえだったのですが…。
カルシウムの代謝にはマグネシウムが必須です。マグネシウムがなければカルシウムが代謝されずに血中に増え、結果、上記のような病気を引き起こす要因になるのです。
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