先日のブログに黄砂やPM2.5の害についてなどを書きましたが、ますます酷くなる大気汚染で、患者さんの中にも症状を訴える方々がずいぶん多くなってきました。
例年より、浮遊物質も数倍多い今年は、そういった訴えもあった事から、院内環境を考え直し、空気清浄器を購入することにしました。
出来るだけ性能重視で考えてどれにすべきか調べ、国産から海外製品まで多種多様の中、cado(カドー)社製のAP-C700の55畳タイプを購入。
量販店などでは相当売れているようで、型によっては欠品も出ているとか。
社会問題になっているせいか、大気汚染問題への関心の高さがよく判りますし、空気清浄器の購入を考える方々は、黄砂や花粉だけでなく、PM2.5が除去出来るかどうかも問題だと考えていると思います。
空気清浄器に「HEPA(ヘパ)フィルター」が使用されている場合は0.3μm(マイクロメートル)まで除去出来、多くのメーカーはこれを採用していますのでこの点について心配は要らないようですが、このフィルターを使用していない会社の製品でも同等の性能を出しているものもあるようですから、その辺りは購入時に色々調べて見るとよいでしょう。
また、フィルターの他に問題になるのが吸引能力。
風量が大きければそれだけ早く空気を綺麗に出来るのですが、ここで1つ落とし穴があります。
実は、普通の空気清浄器は床に落ちた黄砂や花粉、そしてPM2.5などの物質を吸引することが出来ません。
なので、床に落ちる前にどれだけ吸引出来るのかが問題になります。
各社製品カタログに、「八畳の部屋を綺麗にする時間」という表示がありますから、比較検討の際にはここの欄を比べましょう。
さらに、空気清浄機のタイプですが、大きく分けて2種類あり、一つは、加湿やプラズマイオン、ナノイー機能の付いた多機能タイプ。
大手メーカーはこのタイプが多いのですが、このタイプに多い「10年間フィルター交換不要」という機能、10年もフィルター交換なしということは、吸った粉塵をそのまま10年蓄えることになるのがちょっと気になるところです。
また、加湿機能がついたものが大半を占めるのですけれども、吸った粉塵のそばに水分があるということは、カビやバクテリアが発生しやすいということでもありますから、そのあたり、ちょっと注意が必要かも。
もう一つのタイプは空気清浄機能に特化した高性能フィルター、大風量タイプ。これらは、ほぼ1年程度でのフィルター交換が必要なものが多く、中には0.1μmの粉塵も除去出来る機種があるそうです。
ただし、そこまで高機能ともなれば価格も高く、代表的なものにスウェーデンのB社の製品があります。また、国産2社も頑張っているメーカーがあり、そのうちの1社がB社、ここも最終選考に残り、非常に迷いました。
調べによると、どうもこのB会社だけが、実際のPM2.5を除去できるかどうかの検査をしているようです。
このメーカーの製品は2個のファンを持ち、汚れた空気を吸うファンと綺麗な空気を出すファンをそなえていました。
今回購入したcadoの空気清浄器はフィルターに特徴があり、HEPAフィルターだけでなく、光触媒や特殊活性炭フィルターなどの特殊機能を重ねることで、なんと0.09μmまで除去でき、それよりも小さいインフルエンザウィルス等もキャッチ出来るとか。
さんざん考えた結果、院内での使用であれば、やはり出来る限りいい環境を作りたかったことから、cadoの一番大きいこのモデルを購入することになりました。さすがにここまでの性能ですから価格もビッグでしたが、その甲斐あって使い心地は最高です。
来院時に鼻をぐずぐずいわせていた方が、治療が終わって帰るときにはすっきり鼻が通ると驚いています。どこの製品かを訊かれることもしばしば、余分に持ってきたカタログをおわけしているほどです。
この製品だけでなく、空気清浄器そのものがだいぶ品薄になってきているということですから、空気清浄器の購入を検討している方は、ご予算、用途に応じて、お店の方に相談してみるといいと思います。
年単位で被害が予想されているPM2.5、今から対策を講じておくことをお勧めします。