さて、今回は前々回の続きでバイオフィルム、つまり歯垢(プラーク)の除去が、虫歯予防、歯周病予防に繋がるというお話なのですが、一口にプラークと言っても2種類のプラークが存在します。
1つめは歯面の表層で浮遊しているもの、もう1つは歯面等の硬い組織にこびり付いた物の2種類です。そして前回の内容から、後者の方が問題、ということですね。バイオフィルム1実に歯磨きで除去できるのは浮遊しているものだけであり、そこに「通常のブラッシングの限界」が出てくるのです。うがい薬や抗生剤の軟膏等も、バイオフィルムという殻を被った細菌達には無力なので、この殻を壊し、歯から剥がさなければならないのです。こうなると、やはり専用の器具が必要になり、歯科医院の出番です。PMTC(P=プロフェッショナル、M=メカニカル、T=ティース、C=クリーニング)専用機材で、専用歯磨剤を使ってのクリーニング(お掃除)ということですね。残念ながら、家庭ではどれだけ頑張っても、器具を使用しない限り強固にこびりついたコロニーを剥離させることは出来ません。
でも、歯科医院で行うのは、強引で痛いようなクリーニングではないから心配はいりません。
また、医院でこれらを除去しても、ほぼ3か月程度でバイオフィルムは再生し始めますから、その頃が次のメンテナンスの時期になります。
欧米ではこのメンテナンスをほぼ80%の方々は受けているというデータがあるのですが、日本ではせいぜい2%の方々しか受けていないのではないかと言われています。
来月の虫歯予防デーをきっかけに、皆さんもこのPMTC、受けてみてはいかがですか??
とても気持ちがいいですよ。
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バイオフィルム1