お盆休みまっただ中ですけれど、皆さんお元気ですか??
暑い日が続いていますから、水分をたくさんとって熱中症には気をつけてくださいね!
さて、今日は子供の歯について。
子供の口の中といえば、白い歯にきれいなピンクの歯肉と言うイメージが真っ先に思いつくと思いますが、最近そのイメージが崩れているというお話です。
もちろん毎晩歯磨きしているのに、なぜか口の中が黒っぽい…。
「なんで??」
…そんな親子に伝えたい「親がタバコを吸うと子供の歯茎が真っ黒になる」というニュースです。
岡山大学の山野勉教授の研究チームが行ったある調査の結果が日本小児科学会で発表されたのですが、その内容が…
「同居する家族に喫煙者がいると、幼稚園児や小学生の子供の歯が虫歯になりやすかったり、歯茎が黒ずんだりする傾向があり、これには受動喫煙が影響している可能性がある」
…おや、これはちょっと見過ごせませんね。
調査の詳細は、
幼稚園児85名と小学生166名の計251人が対象。
幼稚園児の3割(23名)、小学生の約3割(51名)で歯肉が黒ずんでおり、このうち約8割の幼稚園児19名、約7割の小学生37名は、同居する家族が喫煙者だったというもの。
ちなみに健康な歯肉の子供でも家族の5割弱に喫煙者がいたけれど、最も黒ずみのひどい子供のグループには全家族に喫煙者がいたとのこと。
なんと、親の喫煙は子供の歯にも影響を与えているのが明確になってしまいました。
研究チームは
「煙からの防御反応で歯肉が黒ずむのでは?」とみており、さらにタバコの煙によって唾液の量が減り、虫歯の原因となるミュータンス菌が増えた疑いもあるとか。
「まだ原因ははっきりしていませんが、子供に悪影響を与えないためにも禁煙を!」
子供の歯を守るのは家族の努力も必要ということですね。
このことは当クリニックでも以前からお話はしていましたが、はっきりとしたデータとして出たのは初めてではないかと思います。
お話しするたびに症例の写真をお見せするのですが、中にはあまりの驚きに禁煙したという例もあります。
喫煙なさる方は一度、お子さんの歯茎を確認してみてはいかがでしょう?
ちなみに、当クリニックでご相談があった症例を一つあげると、歯肉が黒くなった小学生のお嬢さんなのですが、いつもこの子は写真を撮る時、口を開かないのだと親御さんがいいます。
お話を聞くと、そのお嬢さんはとてもおじいちゃん子で、そのおじいちゃんがその子を抱っこしたまま喫煙していたとのこと。
以下の写真が術前です。歯茎が黒くなっているのが判ります。
拡大図
それが原因では??とお話をして、黒くなってしまった歯茎をレーザーで焼ききり整形、回復後は見事なピンクの綺麗な歯茎に戻りました。
以下が術後。黒かった部分を焼き、歯茎が再生してピンクに戻りました。
拡大図
このように喫煙は吸っている本人だけでなく周りにも思わぬ影響が出てしまうものです。体への影響が無ければよいのですが、やはりそういうわけにもいきません。
百害有って一利なし…ということで、喫煙時はマナーをわきまえ、迷惑にならないようにしましょうね。