さて今回はSoftBank優勝について、歯科とも関係することを1つ見つけたのでそれをお話ししましょう。
試合中、もしかして気がついた方もいるのではないかと思いますが、多村選手が奥歯で噛むタイプのマウスピースを使っていましたね。
そのマウスピースは大手有名スポーツ用品メーカーの物でしたがその後、新聞にも大きく取り上げられて写真も出ていましたから、どういうものか確認も出来ました。
欧米ではもちろんのこと、近年では日本でもマウスピースを使うスポーツ選手が増えてきました。
スポーツとマウスピース、実は深い関わりがあります。
形や素材、用途も1つではなく、その時々のコンディションに合わせて使い分けられるのが普通です。
冒頭でもお話ししましたように、今回多村選手が使用していたのは奥歯でかむタイプのもので、これはたぶんパフォーマンスアップの為のものだと考えられます。
マウスピースを使うと瞬発的力が上がることは確認出来ていますし、形がかわれば口元の保護もできる。そしてラグビーや格闘技ではやたらド派手な色合いのものも良く見られると思います。
歯科ではマウスピースというと歯ぎしりがひどくて歯がすり減ってしまうのを保護するのに使用したり、
矯正し、装置を外した後の固定に使ったり、睡眠時間無呼吸症候群の治療目的に、
額関節症の治療、歯のホワイトニングの薬剤の保持の他、
似た用途に3DS時の装着など色々あります。
スリーディーエスとは「デンタル・ドラッグ・デリバリーシステム」と言うのが正式名称です。
この治療法は唾液検査で虫歯の原因とされるMS菌(ミュータンス菌)が多い場合に、ミュータンス菌を減少させるための専用薬剤を入れて口に装着するもので、ホームホワイトニングと似た使い方をします。
…とまあ、おおざっぱにここまでお話しただけでもマウスピースってこんなに用途があるのです。
最近では小学生のサッカーなど、子供達の使用もどんどん増えて来ています。そして競技によっては義務化されたものも出てきました。
勿論、保険適用の物もありますが、殆どは保険外になってしまいます。また、価格については各病院で違いますし、用途・設計によっても様々であり、元々価格が決まっていないものでもあります。
それに、先生によっても呼び方が異なります。例えば「バイトプレート」「スプリント」「ナイトガード」「アライナー」等々。
もしマウスピースを使う場合には、調整や製品選びを誤ると骨格がずれてしまい、それが大変な症状を引き起こすことになりかねませんので、
面倒でも出来るだけ歯科医院でのカスタム製品を選び、歯科医による調整を受けてからの使用をお勧めします。
余談ですが、ソフトボールの上野投手もマウスピースを装着していますが、気がついた方はいたでしょうか。
関連記事 :