梅雨に入り、やっと台風も去りましたが皆さんお元気ですか?
今日は前回の続きにいきたかったのですが、ちょっとその前に気になる報道があったので、そちらを先に取り上げたいと思います。
というのも去る5月10日、予防歯科に力を入れている僕にとって衝撃的な、といえば衝撃的ですが、やっぱりといえばやっぱりな報道があったのです。
皆さんはキシリトールといえば、虫歯予防に役立つ甘味料という認識があると思います。
しかし、11日朝のNHKニュースで、加工食品などに使われている甘味料が原因とみられる食物アレルギーの患者が30人あまり報告されていたことが、専門の医師らの初めての全国調査で判明したという報道がありました。
そして医師らは「甘味料がアレルギーの原因になることはあまり知られていない」として注意喚起を求めていたのです。
今回この調査を行ったのは、国立病院機構相模原病院の医師や栄養士などのグループで、2012年10月、 食物アレルギーの患者を診療している全国の医師などに依頼し、うち、およそ880人から回答を得たとのこと。
調査を行った海老澤元宏医師は「甘味料がアレルギーの原因になることはあまり知られておらず、見逃されているケースも多い。低カロリー食品が増えているので注意が必要で、今後は表示についても検討すべき」とコメントしていました。
実はこれについて、僕もその認識があったのです。というのも、天然のものを使用していない限り、甘味料も立派な合成物であり、添加物です。なので何かしらのアレルギーがある方々には出来るだけ控えるよう、お話しするようにしていたのでした。
では、今回調査で使用された甘味料別ではどんな結果だったのでしょう?
「エリスリトール」が15人、「キシリトール」が10人、「ステビア」「アセスルファムK」「ソルビトール」が2人、あとはその他で、キシリトールに反応している方が意外に多かったのです。
これはキシリトール入りガムの普及も一因ということでしょうか。
調査の結果は国会でも取り上げられており、表示の問題、そしてもっと詳しい実態調査が必要ということになったようです。
歯科にも関係するキシリトールについては特に今後の展開等、追ってお知らせする予定です。
ちなみに「エリスリトール」は食品の扱い、「キシリトール」や「ステビア」は食品添加物の扱いですが、どちらも実 は『糖アルコール』。この扱い方で表示方法は大きく分かれます。
当クリニックではキシリトールについて、効果的に使えば虫歯菌を変性し、虫歯菌がいても虫歯になりにくくすることができることから、虫歯菌が多くて口の中の状態が悪い患者さんに対して使用を勧めてきました。
しかし、添加物と言うことから、あまり添加物を摂るのもお勧めできないこと、そしてアレルゲンとして作用する可能性があるのであれば、虫歯には効果的であってもそうそう気安く使えなくなってしまった…と、僕としては非常に複雑な心境なのです。