さて、気が付けばもう2月です。10,11日は杏林予防医学研究所でのJAMFの勉強会で京都へいきます。京都は夏暑く、冬は寒い場所として有名ですが、今年もきっと寒いのだろうなぁ。
さて今日は前回の続きで受験対策の2回目で、どうしようもない睡魔といかに戦うか?です。この時期、勉強しなくちゃいけないのに、ホントに睡魔には困りもの。ところがこの睡魔には、食物繊維がよく効くんです。
なぜ食物繊維?ではその理由を説明しましょう。
食事で上昇した血糖値を下げるためにインスリンが分泌され、血糖値が急激に下降する(低血糖状態)と眠気が襲ってきます。
そのため、眠気を防ぐにはインスリンを徐々に分泌させることが大切で、糖分(炭水化物)摂取を避けるという方法もありますが、食物繊維をたっぷり含んだ生野菜や海藻、こんにゃくなどを、ごはん、パンなどの炭水化物よりも先に摂取することで、インスリンを緩やかに分泌することができるのです。
いかがですか?これだと夕食後の勉強にも役立ちそうですね。また、さらに受験当日の昼食にも一工夫してみてはいかがでしょう?
☆グルテンとカゼインに気をつける
グルテンは、小麦、大麦、ライムギ、及び、オートムギのような草食物に含まれる蛋白質です。
カゼインは、母乳、牛乳、アイスクリーム、チーズ、及び、ヨーグルトなどの乳製品に含まれる、グルテンと同じく蛋白質です。
グルテンやカゼインは、人間にも有用なたんぱく質ですが、年齢、吸収能力を考えて摂取しないと、逆効果にもなる落とし穴があります。
上記の食物に含まれるグルテンとカゼインが、幼児のアレルギーの原因および神経系統の働きに支障を来す可能性が高いことは、この20年ほどの間に、世界中の研究者らによって報告されてきました。
グルテンとカゼインは、腸でタンパク分子に分解され、最終的にはアミノ酸に分解される物質です。
しかしタンパク分子に分解され、モルフィンと呼ばれる物質になったこれらの蛋白分子は血液を通して体内に入り、麻酔薬のモルヒネに似た作用を持つことが知られており、
このモルフィンは脳膜を通過して脳内に入り、脳、特に、言語や聴覚機能を司る側頭葉の働きに影響を与えることや、集中力、記憶力に影響を与える可能性が報告されているのです。
集中力が決め手となる受験生は、ただでさえ、ストレスが蓄積し、胃酸の分泌が低下していると思われるだけでなく、記憶や集中力の低下に関係するグルテンやカゼインは、あまりお勧めできない食材であると言えるでしょう。
グルテンとカゼインは添加物としても使用されていることが多く、現代食生活の中では、避けることが非常に難しいたんぱく質ですが、
明らかにグルテンとカゼインが含まれている食材を毎日のように継続して食べさせることを避け、なるべくグルテンとカゼインを分解する体の負担と、
またそれら有害物質の蓄積を抑えることを考えた食事のメニューをお勧めします。
ということでどんなものを避ければよいのか、参考までに以下へ記しておきます。
*受験生の夜食として避けるべき食材
・小麦、大麦、ライムギなどの麦類
うどん、パン、スパゲッティ、シリアル、肉まん、あんまん、クッキー、ピザ、ケーキ、オートミールなど
・乳製品
牛乳、ホットミルク、チーズ、ピザ、ヨーグルト、アイスクリーム
・グルテンをつなぎとして添加している加工食品
そば、ラーメン、ハンバーグ、餃子、ミートボール、アイスクリーム、マッシュポテトなど
風邪をひかせないことはもちろんですが、食事にも十分注意して、希望に満ちた新春を迎えられるよう、そして、受験生を持つ親御さんがたも疲れをためないよう、気をつけつつ頑張ってこの時期を乗り切ってくださいね。