岡山大学の研究グループが凄い発見してますので、今回はそのお話。
「かみ合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因とされる物質が脳内で大量に増えることを、森田学・岡山大教授(予防歯科)らのグループがラットを使った実験で確認した。」
咬むことで脳内血流が増えたり色々メリット、というよりは非常に大切な効果があるのですが、アルツハイマーにまで直接関係するということまでは今まで判っていませんでした。
以下、少し記事を掲載します。
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この原因物質は、かみ合わせを良くすると減るとみられ、
森田教授は「人間も歯の治療によってアルツハイマー病が改善する可能性がある」としている。
アルツハイマー病は、たんぱく質の塊「アミロイドβ」が脳内に異常に蓄積することで発症するとされる。
森田教授らは、歯が少なかったり、かみ合わせが悪かったりすると
アルツハイマー病にかかりやすくなるという疫学調査結果があることに着目。
奥歯を削ってかみ合わせをおかしくしたラットと、正常なラットをそれぞれ6匹ずつ8週間飼育し、その後に脳の海馬という部分を取り出してアミロイドβの蓄積量を調べた。
その結果、かみ合わせ異常のラットは正常なラットに比べてアミロイドβの量が2〜2・5倍多く、最大で7倍に達したものもあった。
かみ合わせ異常の状態で4週間飼育し、その後の4週間は歯にかぶせものをして改善したラットでは、アミロイドβの量は正常な場合とほとんど変わらなかった。
研究成果は米科学誌「ニューロモレキュラー・メディシン」9月号に掲載された。
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僕は以前から咬み合わせについて色々と勉強しているのですが、寝たきりのご老人などの入れ歯の扱いについて、とても気になっていました。
というのも、実に多くの方が必ずと言っていいほど食事の時以外、義歯を外して生活しているからです。
でも、咬み合わせについて勉強をし始める前までは、入院中などどうすれば良いかなど、そういったことを訊かれることも多かったので、その場合は外していた方がいいでしょうと答えていました。
ですが咬み合わせについて調べるほどに「それでいいのだろうか」と疑問に思うようになりました。
歯科の現場で良く経験するのが、義歯の調整をしたり、新しい義歯を作ったりして口の中に納めると、
皆さん途端に目の色が変わり、日常の会話も普通に出来はじめ、人が変わったようになることが多いのです。
それらを目の当たりにするにつけ、いかに咬むと言うことが大切なのかを思い知らされるわけですが、
まだまだ咬み合わせの重要性は口では議論されるものの、
殆どの方が理解できていないというのが現状です。
勿論それは歯科以外の医療現場の方々もです。
今は歯科でも訪問診療制度がありますから、もしもご家族でそういった方がいらっしゃるようであれば一度、近隣の歯科医に相談してみてはいかがでしょう。