日々あれこれ追われて気がついたらなんと大晦日。
この歳になると1年が過ぎるのがとても速く感じられます。
さて、先日文部科学省の食物アレルギー実態調査が発表されましたが、その内容に驚き、呆れてしまいました。
公立小中高の約45万4千人(全体の4.5%)もの児童生徒に食物アレルギーがあるというのです。
前回の調査(2004年)の約33万人(同2.6%)に比べ、約12万4千人も増加していました。そして、呼吸困難、腹痛、じんましんなどの「アナフィラキシー」症状を起こした経験のある子供は約4万9千人(0.5%)おり、約3万1千人増えたそうです。
給食を提供する小中校579校を対象にした抽出調査では、約4千人に食物アレルギーがあり、このうち原因食を取り除いた給食を提供されている児童生徒は61.1%だったことも判明。
また、この調査は昨年12月に東京の調布の小学校で乳製品にアレルギー反応のある女子児童が給食後、アナフィラキシーショックを起して死亡した事故を受け、文科省が8月に1015万人の生徒を対象に実施したものだそうです。
小学生21万人、中学生11万4千人、高校生が6万7千人でいずれも増加しており、学校種別が分からない子供6万1千人もという内訳です。
さらに579校の調査のうち、主な食物アレルギーの原因材料は鶏卵が33%、牛乳・乳製品が28%をしめ、甲殻類が19%、果物類が18%です。誤食につながりやすい「おかわり」を制限する小中学校は70%もあるとのこと。
また、こういった調査から、学校による対策の温度差がある実態も明らかになってきたそうです。
教師等による「食物アレルギー対策委員会」を設置していた学校は40%弱。食物アレルギーのある児童を対象に「個人対策プラン」を作成している学校も48%に留まっています。
食物アレルギー対策が困難な理由は「不十分な施設設備」が53%で最多であり、他にも「対応人員不足」48%、「曖昧な医師の診断」33%が上位をしめ、現場は対応に苦慮していることが鮮明になりました。
文科省は「食物アレルギー対策の必要性が教育現場に十分に浸透しておらず、教育レベルでのマニュアル作りや、緊急の対応にあたっての校内での情報の共有などを徹底させたい」としている、と結んであります。
なんと、遅い対応、甘い考え方なのでしょうか。
日本人本来の食の提供がされていない学校給食に腹立たしく思います。
食育は日本人が本来食べるものを教えることでもあります。
ご飯とお味噌汁ではなく、ご飯に牛乳なんて、多くの方がおかしいと思うことが何も是正されない学校給食、日本人本来の食生活に戻すことで多くの問題が解決されると思うのは僕だけでしょうか。
数年前に受けた大塚先生の講習を聞いたときに感動しました。もと長野県上田市の教育委員長で、「給食で死ぬ!!」(大塚 貢著)という著書もあります。これは皆さんにも是非、読んで頂きたい本です。
人間に限らず、どんな動物でも食べたもので出来ています。ですから何を食べているのかが重要になります。
食べるものによって優秀にも病気にもなり得るのです。
子供はこの日本の未来を担っています。その子供たちを守るのが大人の使命であると僕は考えます。
今からでも遅くはありません。子供たちの食事を見直し、体に負担のない環境を作っていこうではありませんか。
…というわけで、冒頭でも触れましたがもう大晦日です。
1年があっという間で恐ろしいほどです。1年を通して、いろいろな問題を取り上げてきました。
来年もまだまだ取り上げていくつもりです。
一見歯科とは何の関係もないことのように思えても体は1つ、すべてに関係があります。
体の環境によって口の中も影響され、変わってしまうからです。
それを踏まえて環境改善していけば、体調も、そして口の中もまたよくなっていきます。
先にも書いたように、体というのはすべてつながって1つであり、それぞれが独立した器官ではないからです。
皆さんにとって今年はどんな年でしたか?
来年が皆さんにとってよい年となりますように。
どうかよいお年をお迎えくださり、来年もまたどうぞよろしくお願いいたします。