GWに突入し、みなさん有意義に過ごしていらっしゃいますか?
4月21日22日と、京都でのJMFAの理事会に参加して来ました。
全員、前日に京都入りしたことから、翌日の会議前に山田先生のご自宅でちょっとしたオーディオコンサートに招かれ、いい音を聴いてきました。
先生はオーディオマニアであり、クラシックをこよなく愛する方です。何曲か皆で鑑賞した後、研究所へ移動して理事会となりました。
レコードの音は久々で日頃、デジタルの音に包まれている僕には新鮮で、とても癒された感じがしました。
さて、今回は少し歯科の原点に帰り、「歯周病」を取り上げてみたいと思います。
最近、遺伝子の研究が大きな進歩を見せ、今まで証明できなかった歯周病と全身疾患の関係がはっきりしてきました。その代表的なものが、動脈硬化を起因とする心不全、そして糖尿病です。
アメリカの歯科医師会の掲げる標語のひとつに、「フロス オア ダイ(floss or die)」と言うものがあります。
すなわち、「デンタルフロス(糸ようじなど)を使ってよく歯を磨き、歯周病を予防しますか?それとも死を選びますか?」という意味です。
成人病と歯周病の関係は昔から取り沙汰されていましたが、長らくその関係性はわかっていませんでした。
しかし最近になって、心筋梗塞から心不全に陥って亡くなった人の冠状動脈(心臓に栄養を与えている動脈)に発生した血栓(アテローム血栓)の中に、
その人の口の中にいる歯周病菌と同じ遺伝子配列を持つ歯周病菌が数多く発見されるケースがたくさん報告されるようになったのです。
ですからアメリカでは、抜歯や、歯石除去の前に、口のなかを消毒することが当たり前になっているとのこと。
歯周病のある方の方が、健康な口腔内の方より、冠動脈疾患1.5倍、心疾患死1.9倍、心筋梗塞発作2.8倍という数字が出ています。
「floss or die?」
皆さんはどちらを選びますか?